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食育基本法とは?概要を知って食育の重要性を理解しよう

食育基本法は、国民一人一人が食への意識を高め、健全な食生活で心身を培い、豊かな人間性を育むことを目的に、2005年の7月に施行されました。ここでは、どうして食育が重要視され、食育基本法が制定されたのか?食育基本法とは、どういったことを目指す内容なのかを紹介していきます。

食育基本法が必要になった理由とは?

日本が経済大国となってから、すでに何十年が経とうとしています。現在でも毎年のように経済の先行きへの不安や一般家庭での満足感の不足などが問題視されてはいるものの、私たちの身の回りに物は豊富にあふれ、多くの人が衣・食・住に不自由することのない消費社会となっています。いまでは、食べたいものをいつでも、どこでも選んで手軽に食べられる、とても豊かで便利な社会になっています。 ただ、その便利さの裏で見過ごすことのできない深刻な食の問題も浮かび上がっています。簡単に言えば、多くの人が「食の大切さ」を忘れて、食べ物や食べ方を大事にしなくなっているということです。それは、特に子どもに大きな影響を及ぼしています。 例えば、体力や運動能力の低下、気力の低下、気持ちをコントロールしきれずに「キレ」やすい子どもが増えていることも、食の基本が崩れたことと関係していると言われています。 ご飯を食べることは、栄養を摂取するだけに留まりません。食べ物に感謝の気持ちを持って「いただきます」「ごちそうさま」と言ったり、周りの人と会話をしながら食べることでコミュニケーション力やマナーを養うことができる食事の場には、心の豊かさを育む上で大切な事が集約されています。 それもあって、食育基本法では食育を「生きるうえでの基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるべきもの」と位置付けています。

食育基本法とは

文部科学省では、90年代半ばから学校教育のなかで健康教育の推進、学校給食の充実や食に関するしどうの充実に力を注いできました。そして厚生労働省では、2000年に「21世紀における国民健康づくり運動」を作成し、増加する生活習慣病にはどめをかける運動をしています。 2005年により広く国民的な運動として食育に取り組んでいく方向性を示すために成立したのが、食育基本法です。食育基本法は33の条文から成っていて、8つの基本理念に基づいています。  ●食品の安全性の確保等における食育の役割  ●食に関する感謝の念の醸成  ●食育推進運動の展開  ●伝統的な食文化等への配慮  ●農山漁村の活性化と食料自給率への貢献  ●食に関する体験活動と食育推進活動の実践  ●子どもの食育における保護者、教育関係者等の役割  ●心身の健康な増進と豊かな人間形成 まずは、食育基本法は「食」を通じて誰もが健康で幸福な人生を送ることができるように、「食育」を国民運動として推進するために作られたということを、覚えておくのが良いでしょう。

家庭の食卓でできる食育の推進って?

これまでは、食育基本法の背景や考え方について触れてきましたが、具体的な目標などはあるのでしょうか? 食育基本法の方針に沿って、5年間ごとの目標値を定める「食育推進基本計画」というのがあって、現在は第3次食育推進基本計画が、2019年度までの具体的目標値を以下のように定めています。
食育の推進に当たっての目標
食育に関心を持っている国民の割合
2016年度 2020年度
78.4%90.0%
朝食又は夕食を家族と一緒に食べる「共食」の回数
2016年度 2020年度
週10.5回週11回以上
地域等で共食したいと思う人が共食する割合
2016年度 2020年度
72.6%70%以上
朝食を欠食する子どもの割合
2016年度 2020年度
4.6%0%
朝食を欠食する若い世代の割合
2016年度 2020年度
23.5%15%以下
中学校における学校給食実施率
2016年度 2020年度
90.2%90%以上
学校給食における地場産物を使用する割合
2016年度 2020年度
25.8%30%以上
学校給食における国産食材を使用する割合
2016年度 2020年度
75.2%80%以上
主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べている国民の割合
2016年度 2020年度
58.1%70%以上
主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べている若い世代の割合
2016年度 2020年度
39.1%55%以上
生活習慣病の予防や改善のために、ふだんから適正体重の維持や減塩等に気をつけた食生活を実践する国民の割合
2016年度 2020年度
68.2%75%以上
食品中の食塩や脂肪の低減に取組む食品企業の登録数
2016年度 2020年度
103社100社以上
ゆっくりよく噛んで食べる国民の割合
2016年度 2020年度
50.2%55%以上
食育の推進に関わるボランティア団体等において活動している国民の数
2016年度 2020年度
36.0万人37万人以上
農林漁業体験を経験した国民(世帯)の割合
2016年度 2020年度
36.3%40%以上
食品ロス削減のために何らかの行動をしている国民の割合
2016年度 2020年度
71.8%80%以上
地域や家庭で受け継がれてきた伝統的な料理や作法等を継承し、伝えている国民の割合
2016年度 2020年度
37.8%50%以上
地域や家庭で受け継がれてきた伝統的な料理や作法等を継承している若い世代の割合
2016年度 2020年度
50.4%60%以上
食品の安全性について基礎的な知識を持ち、自ら判断する国民の割合
2016年度 2020年度
72.4%80%以上
食品の安全性について基礎的な知識を持ち、自ら判断する若い世代の割合
2016年度 2020年度
62.6%65%以上
推進計画を作成・実施している市町村の割合
2016年度 2020年度
79.3%100%
毎日忙しいのに、これらをいきなり全部達成しようとすると、ちょっと大変ですよね。 大切なのは、一度は出来たけれどそのうちまた逆戻り、ということがないように、少しずつでも着実に進歩していくこと。ハリキリすぎた分、息切れしてしまって楽しいはずの食事が苦しいものになってしまうのは避けたいですよね。 食育の第一人者・服部幸應先生も、「まずは、朝ごはんをしっかり食べる事から始めましょう」と仰っています。皆さんも、朝ごはんを食べる事や、上の表からひ1~2項目をピックアップして、まずはそこをクリアするところから、皆さんの食育活動を始めてはいかがでしょうか。 ⇒具体的な食の問題例|やっていませんか6つの「こ食」 また、毎年6月は「食育月間」として、毎月19日は「食育の日」として、各地で食に関するイベントが多く行われます。グルメを堪能したり、農業・漁業などを体験しながら食への興味関心を高めることができますので、それらに参加するのも良いでしょう。 ⇒がくぶんスタッフブログ|ふるさとの食 にっぽんの食 全国フェスティバルに行ってきました

食育推進の環を広げるために|食育インストラクター養成講座

長年に渡って食育の必要性を説き、実践してきたのが「食育」の第一人者・服部幸應先生です。平成17年に施行された「食育基本法」制定の推進役をつとめ、食育基本法の成立に大きな貢献を果たしました。 食育インストラクター養成講座は、その服部先生の監修・指導のもと食育の知識と実践法を在宅で身につけられる通信講座として開講しました。「食育3つの柱」を中心に多岐にわたるテーマ、あらゆる世代のための食育を凝縮させています。講座修了後には、地域や家庭での食育推進の担い手として、NPO日本食育インストラクター協会が認定する資格を取得することができます。 子育て中の方、学校や企業で食育活動をされている方、または始めようとしている方など、すでに多くの方から喜びの声をいただきました。特に2019年行った大規模リニューアルでは、子どもの年代別に必要な食育情報や、多忙な毎日を送る受講生のライフスタイルのなかで実現できる食育の実践面に重点を置きました。あなたもご自身やご家族の健康と安心な食生活のために、この機会にぜひ食育インストラクターをご活用ください。

おわりに

食育基本法が施行されてから、15年近くが経ちました。食育という言葉を知っている、聞いたことがある、という人は増えてきて、今は「実践する」段階に移りつつあります。そこで、基本に立ち返るという意味も含めて今回は食育基本法を紹介させていただきました。目標や課題はさまざまありますが、食べることを楽しみながら食育の環を広げていただければと思います。

参考:食育基本法前文

二十一世紀における我が国の発展のためには、子どもたちが健全な心と身体を培い、未来や国際社会に向かって羽ばたくことができるようにするとともに、すべての国民が心身の健康を確保し、生涯にわたって生き生きと暮らすことができるようにすることが大切である。 子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも「食」が重要である。今、改めて、食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められている。もとより、食育はあらゆる世代の国民に必要なものであるが、子どもたちに対する食育は、心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性をはぐくんでいく基礎となるものである。 一方、社会経済情勢がめまぐるしく変化し、日々忙しい生活を送る中で、人々は、毎日の「食」の大切さを忘れがちである。国民の食生活においては、栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向などの問題に加え、新たな「食」の安全上の問題や、「食」の海外への依存の問題が生じており、「食」に関する情報が社会に氾濫する中で、人々は、食生活の改善の面からも、「食」の安全の確保の面からも、自ら「食」のあり方を学ぶことが求められている。また、豊かな緑と水に恵まれた自然の下で先人からはぐくまれてきた、地域の多様性と豊かな味覚や文化の香りあふれる日本の「食」が失われる危機にある。 こうした「食」をめぐる環境の変化の中で、国民の「食」に関する考え方を育て、健全な食生活を実現することが求められるとともに、都市と農山漁村の共生・対流を進め、「食」に関する消費者と生産者との信頼関係を構築して、地域社会の活性化、豊かな食文化の継承及び発展、環境と調和のとれた食料の生産及び消費の推進並びに食料自給率の向上に寄与することが期待されている。 国民一人一人が「食」について改めて意識を高め、自然の恩恵や「食」に関わる 人々の様々な活動への感謝の念や理解を深めつつ、「食」に関して信頼できる情報に基づく適切な判断を行う能力を身に付けることによって、心身の健康を増進する健 全な食生活を実践するために、今こそ、家庭、学校、保育所、地域等を中心に、国民運動として、食育の推進に取り組んでいくことが、我々に課せられている課題である。さらに、食育の推進に関する我が国の取組が、海外との交流等を通じて食育に関して国際的に貢献することにつながることも期待される。 ここに、食育について、基本理念を明らかにしてその方向性を示し、国、地方公共団体及び国民の食育の推進に関する取組を総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。
食育基本法 - 農林水産省(http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/pdf/kihonho_28.pdf) より引用

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